代表理事あいさつ

「次世代に贈り物となるような地域社会の創造に向けて」
特定非営利活動法人E-SMILEは、「縁する人すべてに笑顔を」という法人理念のもと、心身に重度の障害をお持ちの方の日中活動先としてスタートいたしました。当初より、利用者の笑顔のためなら何でもやる、必要なものは何でも作る、というコンセプトで支援を行ってきました。地域社会に貢献したい。支援を必要としているひとの役に立ちたい。ただそれだけで突っ走ってきました。
 今、時代は大きな転換点に来ています。2030年には65歳以上の人口が3人に1人になると予想されており、少子高齢化による労働人口の減少が予測されます。税収の減少、今後の社会保障費の変遷など、枚挙にいとまがありません。さらに若年層の労働意欲の減退や、出生率の低下が社会問題として取り上げられています。

こうした時代の転換点において、私たちE-SMILEは「豊かさ」と「コミュニケーション」をキ-・コンセプトに掲げて、混迷を極める時代の舵取りを執り行って参ります。次の時代は、「豊かさ」の定義が変わる時代、「豊かさ」の定義が拡張する時代になります。金融資本主義経済をベースとしつつも、コミュニティごとの生活圏をシェアしていくことで生まれる地域力が「豊かさ」の本質として組み込まれていくはずです。フェイス・トゥー・フェイスの「互いに顔が見える」地域社会の創造こそ、次世代にも続く「豊かさ」の重要なファクターとなることは間違いありません。「地域」を巻き込む私たちの活動こそ、次代の「豊かさ」の源泉です。
また、これからはますます「コミュニケーション」の時代になります。ただの会話のノウハウではなく、価値観や生活圏の違いに共感という名の橋を架ける作業としての対話(ダイアローグ)の時代です。対話には、相互に「理解を深めようとする姿勢」と「耳を傾ける姿勢」、そして「伝えようとする姿勢」が必要です。一見、理解不能な人間社会の現象に対しても、犯罪や引きこもり、孤立無業や孤独死についても、いかにコミュニケーションを図るか、どう理解していくかが、課題解決の鍵となることは間違いありません。ユーザー(利用者)の「笑顔」を生み出してきた私たちの関わりこそ、次代の「コミュニケーション」の鍵です。
私たちE-SMILEは、福祉事業を通して、こうした諸々の社会的課題を解決するために必要な働きかけを行っていきます。ユーザーを通して社会を見る。ユーザーの笑顔に社会的課題の解決を見る。福祉が福祉だけで発展することはあり得ません。私たちの活動は、地域社会の発展とともにあります。そうした意味で、私たちは「脱・福祉」を宣言し、次世代への贈り物となるような地域社会の創造に貢献して参ります。

代表理事  髙井 智治